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Lesson4                  

ピンチ!く・空気が出てこない・・・

しばらくして気がつくと、レギュレータから出る空気が少なくなっているようだ。そんなに吸い込んだ気はしないけれど、初めてで緊張していたせいで空気を吸いまくって無くなっちゃったんだろうか。すぐに残圧(空気の残り)をチェックしたが、まだまだ大丈夫のようだ。しかし、息が苦しい。ほとんど空気が出てこない。どうしよう・・・そうだ!レッスン3・4であんなに繰り返したことが役に立つ時が来たのだ。

まず急いでKazuさんに追いつき、自分の首を切るように手を左から右に動かして、「空気が無くなった」と伝えた。「オクトパスを使ってみろ」Kazuさんが自分のオクトを触って教える。オクトパスブリージング(レギュレータを外して、オクトパスから空気を吸う)の練習通りに外している間中少しずつ息を出し続けないと、肺がやられてしまう。でも、「練習通りにやれば大丈夫!」と自信を持ってオクトパスを吸った。しかし、オクトも同様で、あまり空気が出てこない。「これもだめだ」とKazuさんに合図した。Kazuさんが、自分のオクトを私に咥えさせて、代りに私のオクトを試してみたが、やっぱり空気が出てこないのがわかったらしい。

私は、Kazuさんのオクトから空気を分けてもらうことになった。初心者の私は、空気をものすごく使っちゃうし、「Kazuさんに悪いなぁ」という思いと「この人は私の命の恩人だよ?」という思いでいっぱいになりながら、産まれたての雛鳥のようにKazuさんにくっついてしばらく泳ぎ続けると、突然Kazuさんが止まって、私のタンクのところをゴソゴソ触っている。「??」と思ったら、ポコンと頭を叩かれた。「馬鹿野郎!タンクの栓が開いてないじゃねーか。」というKazuさんの声が聞こえた気がした。

ボートに上がってからわかったことだが、タンクの栓はガスの元栓みたいになっていて、横にすると止まり、縦にすると空気が出てくるのだが、私のは中途半端に開いていたらしい。ボートの上で確認した時には、少しずつ空気が出ていたので気がつかなかったのだが、水に入ってから、圧力の関係で出てこなくなったようだ。
「ごめんなさ?い。二度とやりません。」堅く誓った私だったが、その日の2本目のダイビングでは今度は気を入れて、栓を上げすぎ、また同じことを繰り返したのであった。(もっとも、二度目は水に落ちたとたんに気がついて、すぐに上がって栓を緩めてもらった。)ボートの上でチェックしていたMasakoちゃん(日本人インストラクターその2)も「気にして見てたから、気がついたんだけど、ちょっと遅かったわ。あはは」と笑っていた。

でも、この体験で私は、「水の中で声が聞こえないはずなのに、ちゃんとKazuさんの声が聞こえた気がした。コミュニケーションできるんだぁ。」と不思議な感動を味わったのだった。水の中なのに、言葉じゃなくて、通じあえるものがあるっていうのはダイビングの魅力のひとつだと思う。

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